こんにちは。ハッピーナースのキャリアさんぽ、ハピナスのゆきんこ⛄です。
以前、CRC(治験コーディネーター)というキャリアの魅力について記事を書きましたが、今回は少し違う角度から、CRCの働き方の種類について語ってみようと思います。
■ CRCの働き方は、実はいろいろある
CRCと一口に言っても、働き方にはいくつか種類があります。
- 院内CRC:病院に看護師・薬剤師・臨床検査技師などとして所属しながら、CRC業務も兼任する働き方
- SMO所属のCRC:SMO(治験施設支援機関)に所属し、契約している医療機関へ派遣される働き方
- 派遣CRC:人材派遣会社を通じて医療機関に派遣される働き方
私はSMO所属のCRCとして働いていました。院内CRCは医療機関に直接所属するため転勤がなく、腰を据えて働けるのが特徴です。一方、派遣CRCは人材派遣会社を通じて配属されるので、契約期間や配属先が比較的柔軟に決まる、という違いがあります。それぞれ、雇用主も働く場所の安定度も違う、というイメージです。
■ SMO所属のCRCは、複数の医療機関・複数のプロトコールを同時に担当する
SMO所属のCRCは、1つの医療機関に固定というよりも、複数の医療機関を同時に担当することが多いです。私自身、ある一定期間に複数の医療機関を担当し、それぞれの医療機関で複数の治験(プロトコール)が同時進行していることも珍しくありませんでした。中には、別々の医療機関で同じ治験を実施している、というケースもありました。
つまり、「1つの治験だけに集中する」というよりは、「複数の医療機関×複数のプロトコール」を同時並行で管理していく、というイメージの働き方でした。
当時はまだスマホなんてなかった時代だったので、スケジュール管理はもっぱら手帳頼りでした。複数の医療機関・複数のプロトコールの来院予定を、手帳に書き込みながら管理していたのを覚えています。もし今の時代にCRCをやっていたら、OutlookなどのスケジュールアプリやITツールで、もっと効率よく管理できるんだろうなと思います。
特にスケジュールが読みにくかったのは、担当していたそれぞれの治験が始まったばかりの時期でした(私自身がCRCとして経験の浅い時期、という意味ではなく、1つの治験がスタートしたばかりのタイミング、という意味です)。医療機関で参加できる患者さんの人数は契約であらかじめ決まっているので、その人数を満たす(もしくは近づける)まで、対象になりそうな患者さんをスクリーニングして探していきます。見つけた対象者を治験責任医師に見てもらい、「この方ならいけそうだね」となったら、その患者さんの次の受診日を狙って病院に待機する、ということもありました。この「次の受診日」はなかなか読めるものではなく、しかも複数の治験・複数の医療機関を同時に担当しているので、うっかりスケジュールが被ってしまうと医療機関に迷惑をかけてしまいます。だからこそ、この時期は特に慎重にスケジュールを組んでいました。
ただ、治験参加者がある程度の人数まで集まってくると、あとはプロトコールに沿って来院スケジュールが決まっていくので、予測が立てやすくなり、格段に組みやすくなりました。
■ CRCと似た職種「モニター」との違い
ちなみに、CRCと似た職種に「モニター」という仕事があります。こちらはCRO(医薬品開発業務受託機関)や製薬会社に所属し、治験がルール通りに進んでいるかをチェックする役割です。
私が働いていた頃、モニターの中には看護師出身の方もいました。看護師の経験を活かして、CRCだけでなくモニターという道に進む人もいるんだな、というのはその時に知りました。CRCが「現場側」だとすると、モニターは「依頼者側(製薬会社側)」から治験を見る立場、というイメージです。もちろん製薬会社側のモニターとのやり取りもありますが、CRCとして日々の業務で主に関わるのは、モニターと、医療機関の医師・看護師などのスタッフの方々、というイメージです。
治験と聞くと、まず思い浮かぶのはCRCという方が多いかもしれません。ですが、「もっと製薬会社寄りの業務をしてみたい」という方は、CRO(や製薬会社)でのモニター(CRA)という道も選択肢に入れてもいいかもしれません。実際、看護師専門の転職サイトなどにも「CRA(臨床開発モニター)」専門の求人ページがあるくらいで、看護師の経験を活かせる職種として、今もしっかり求人があります。
余談ですが、モニターにも製薬会社に直接所属している方と、CROに所属している方がいます。私の記憶では、その場で答えられない質問があった時、CRO所属のモニターさんは一度製薬会社側に確認を取ってから回答する、という流れになることが多く、製薬会社直属のモニターさんに比べると、確認から回答までに少し時間がかかる印象がありました。これは、どちらが優れているという話ではなく、間に立つ組織が1つ増える分、確認のステップが増える、という構造的な違いだったんだと思います。
■ 看護師として大きな臨床経験がなくても採用された経緯
私がCRCになったのは、看護師としてそこまで多くの臨床経験を積んでいない時期でした。本社が東京にあるSMOが、北陸エリアでもCRC業務を広げたいということで募集をかけていて、そこに応募したのがきっかけです。地方でCRCの求人自体が少ない中、タイミングよく巡り合えた案件でした。
振り返ってみると、「臨床経験の年数」よりも「タイミングと縁」で採用が決まることも実際にあるんだな、と実感した出来事でした。今、経験の少なさに引け目を感じてキャリアの選択肢を狭めてしまっている方がいたら、こういうケースもある、と知ってもらえたら嬉しいです。
ちなみに、これは約20年前の話になるのですが、当時は今のような看護師専門の紹介会社を使うのではなく、ハローワークでこの求人を見つけました。履歴書を持参して、ホテルのラウンジで面談を受けた記憶があります。面接対策のようなことは特にした覚えがなく、おそらく他に応募者があまりいなかったこともあって、たまたま採用してもらえたんだろうな、と今では思っています。
今の時代は、ハローワークで仕事を探す看護師さんはかなり少なくなっているはずです。紹介会社であれば、希望に沿った求人を探してくれますし、面接対策なども親身にサポートしてくれます。当時と比べると、看護師の転職環境はずいぶん整ってきたなと感じます。
■ まとめ
CRCという職種は、一括りにできないくらい働き方のバリエーションがあります。
- CRCの働き方には院内・SMO・派遣などいくつかの種類がある
- SMO所属のCRCは複数の医療機関・複数のプロトコールを同時に担当することもある
- 当時はスマホがなく、スケジュール管理は手帳が頼りだった
- 治験開始直後はスケジュールが読みにくく、慎重な調整が必要だった
- 看護師出身でモニターという道に進む人もいる
- 臨床経験がそこまで豊富でなくても、タイミング次第でCRCになれることもある
- 当時はハローワーク経由での就職も一般的だった
次回は、実際に治験の現場でどんな業務をしていたのか、リクエストがあればもう少し具体的にお話ししたいと思います。



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