同じ産業保健師なのに、こんなに違う。健診業務”あるある”比較

産業保健師の仕事のリアル

こんにちは。ハッピーナースのキャリアさんぽ、ハピナスのゆきんこ⛄です。

産業保健師として働いていると、毎年必ずやってくる大きな仕事が「健康診断業務」です。

これまで、産業医が常駐している職場と、週1(半日〜1日)で勤務する職場、両方で健診業務を経験してきました。実は、やっている仕事の大枠自体はどちらもほぼ同じです。違うのは、「誰が」「どのように」動くか、という部分。産業医の常駐の有無、会社の方針、保健師の人数などによって、同じ業務でも動き方がまったく違ったので、今日はその違いを実体験ベースでまとめてみます。

■ 健診前:対象者の抽出〜受診の周知

委託という立場なので、健診対象者のリストは基本的に会社側からもらっていました。直接雇用の保健師さんだと、この抽出作業自体を自分で行うケースも多いと思います。

  • 健診対象者への周知・社内への呼びかけ
  • 未受診者の確認・リマインド

このあたりは、同じ委託の立場でも会社によって対応が違いました。1社目は、周知の準備も未受診者へのリマインドも、委託の保健師である私たちが担当。もう1社は、どちらも会社側が行っていました。

ちなみに健診は、法律で労働者が受診しなければならないと定められているものですが、それでもなぜか受診を渋る方は一定数います。未受診者リストをもとに、対象者へメールで連絡する、という地道な作業も健診業務の一部です。

■ 健診後:結果判定は、産業医常駐の有無で大きく変わる

健診結果が健診システムに取り込まれた後は、結果の判定というステップに入ります。

ここが、産業医常駐の有無で一番違いを感じたポイントでした。

  • 産業医常駐の職場 → 全社員分の健診結果を、産業医が判定
  • 週1訪問(半日〜1日勤務)の職場 → 産業医は常駐していないので、特に数値の悪い人だけ産業医が判定。それ以外の人については、会社があらかじめ定めた基準に沿って、保健師が要受診レベルかどうかの一次チェック・振り分けを行い、産業医が最終的に確認する、という流れ

産業医が毎日いる職場とそうでない職場とで、判定の回し方自体をこうして工夫しているんだな、というのは実際にやってみて初めて知ったことでした。

■ 受診勧奨は、会社ごとにルールも補助も違う

判定の後は、会社のルールに沿って結果が良くない人への受診勧奨を行います。

これが地味に手間のかかる作業です。健康経営の観点からも必要なデータとして、受診率を上げるためにしつこめに勧奨を行う必要がありました。

豆知識ですが、企業によっては、受診勧奨の対象になった検査項目について、再受診費用の一部を会社が補助してくれるところもあります。1社目は補助なし、もう1社は一部補助あり、と対応が分かれていました。こういう制度があるかどうかも、会社によってかなり違うんだなと感じたポイントです。

■ 面談(保健指導)も、振り分けのルールが違った

健診結果が出た社員のうち、判定の悪い人には面談(保健指導)を実施します。

1社目は、要経過観察レベル以上であれば原則全員が面談対象。経過観察レベルは保健師が、それより悪い判定レベルは産業医が面談、という振り分けでした。健診後はこの面談がとにかく多く、”面談祭り”状態になるほどでしたが、産業医の面談に同席させてもらう機会も多く、先生の保健指導の進め方を間近で学べたのは大きな収穫でした。

もう1社は社員数が1社目の倍近くいたこともあり、かなり悪い人だけ産業医面談、特定保健指導の対象から外れる39歳以下のメタボ該当者への保健指導を保健師が担当、という振り分けでした。

どちらの職場でも共通して感じたのは、健診結果を社員と一緒に見ながら、今の数値と過去の経過、生活習慣をあわせて振り返ってもらい、小さな一歩から取り組んでもらうことの大切さです。説明する側が一方的に話すよりも、最新の情報が載ったパンフレットを見ながら一緒に確認していく方が、本人の「ハッとする」気づきにつながりやすいと感じています。

■ 労基署への報告書も、担当が分かれる

健診業務には、もう一つ忘れてはいけない仕事があります。「定期健康診断結果報告書」、いわゆる労基報告書の作成です。

1社目は、保健師である私たちが報告書を作成して会社に提出し、会社側が内容を確認したうえで労働基準監督署に提出、という流れでした。もう1社は、会社側が自社の健診システムからデータを抽出して報告書を作成し、そのまま提出まで完結させていました。この作業も、会社によって誰がどこまで担当するかがきっちり分かれていて面白いポイントです。

■ 最後はデータをまとめて会社に報告

健診結果のデータ、受診勧奨の実施状況、面談の実施状況などをまとめて分析し、会社に報告するところまでが一連の流れです。

こうして振り返ると、健診業務は単発の作業の積み重ねに見えて、実は「産業医がどれだけ現場にいられるか」「会社が健康経営にどこまで力を入れているか」「保健師の人数」によって、求められる役割も業務の分担も大きく変わってくる仕事だと感じます。実際、1社目は保健師4人体制、もう1社は保健師2人体制と、人数自体にも差がありました。保健師の人数が違えば、1人あたりがカバーする業務量も自然と変わってきますし、会社の方針(健康経営にどれだけ力を入れているか)によっても、受診勧奨の熱量や補助制度の有無など、現場の動き方がかなり変わってくると感じています。

■ まとめ

  • 健診対象者の抽出・周知・未受診者対応は、委託か直雇用か、会社のルールによって担当が変わる
  • 産業医常駐の職場は全員分を産業医が判定、週1訪問の職場は保健師が基準に沿って一次チェックし、産業医が最終確認する形が多い
  • 受診勧奨の費用補助の有無は会社によって差がある
  • 面談対象の振り分け方も会社ごとに違い、産業医の面談に同席して学べることも多い
  • 労基署への報告書(定期健康診断結果報告書)も、保健師が作成するか会社が作成するか会社によって異なる
  • 健診業務は「産業医がどのくらい現場にいるか」「会社の健康経営への力の入れ方」「保健師の人数」で、求められる役割も業務量もかなり変わる

健診業務自体の中身は、どの職場でもほとんど同じ。でも「誰が」「どのように」動くかは、職場によってここまで違う。これは、実際に複数の現場を経験してみないとわからないことだと思います。これから産業保健の仕事を目指す方の参考になれば嬉しいです。

あなたの働き方が、もっと自由になりますように✨

看護求人 JobMedley
看護のお仕事

    【問い合わせフォーム】

    お問い合わせの前にお読みください

    ・どの記事についてのご質問か、記事のタイトルをご記入ください。

    ・ご質問の内容は、できるだけ具体的にお書きください。

    ・記事タイトルがわからないもの、内容があいまいなご質問には、お答えできない場合があります。

    ・営業・宣伝を目的としたご連絡には返信しておりません。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました